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偽装結婚~代理花嫁の恋~
第6章 ★Sadness~哀しみ~★
由梨亜をひとめ見るなり、三鷹はあからさまな安堵の表情を浮かべた。偽装結婚を始めた夜、無理矢理、彼がキスをしかけてきた翌朝もこんなことがあった。あのときも彼は由梨亜が出ていかなくて良かったと心底から嬉しそうな顔をしたのだ。
「君が出ていって、いないんじゃないかと思った。もう二度とここへは帰ってこないのではないかと不安でならなかったよ」
由梨亜が沈黙を守っているため、部屋に満ちた静寂がよりいっそう重たくなった。