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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!

「麻人ー」

 麻人が顔を上げる。

「あ、友梨香さん」
「卓球やってたんだ。やっぱ温泉て言ったら温泉卓球だよね! てか浴衣似合うー!」
「……どーも。友梨香さんも似合ってますよ。一緒にやります? 卓球」
「うんやる」

 その時だった。

「麻人くーん、ピンポン玉あったー?」

 可愛いらしい声と共に、パタパタとスリッパの音を響かせながら、娯楽場から女の子がかけよってきた。

「ありましたよー」

 麻人が手にしていたラケットで、ピンポン玉を軽く打ってその子に渡す。
 その女の子はピンポン玉を受け取ると、麻人の隣に立つ私に気付いたのか、心底驚いたような顔でしばらく固まっていた。

「あ、どーもー」
「ご……、ごめんなさい!」
「へ?」

 笑顔で頭を下げた私に、なぜだかその子は謝ってきた。何度もペコペコと頭を下げ、私と麻人に交互に視線をやる。

「か、彼女さん、いたんだね……」
「彼女さん? ああ、私のこと?」
「……違うんですか? もしかして、お姉さんとかですかぁ?」

 私は言葉に詰まり、麻人にそっと目配せした。
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