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可愛いヒモの育て方。
第8章 芽生え
今に始まったことじゃない。意地悪だけど、優しいのも。だけど何かが、セックスするようになった最初の頃とは変わった気がする。
それがなんなのかわからず、麻人の顔をぼんやりと見つめていた。
「そんな、物欲しそうな顔されても」
「そういうつもりじゃ……」
言われて、麻人の質問に答えてなかったと気付く。
「麻人の、欲しい」
改めて言葉にすると、なんだか気恥ずかしかった。同時にあそこも、欲しがるようにひくつく。
「はーい。ちょっと待ってて」
麻人は立ち上がり、リモコンを拾ってオモチャの振動を止めた。バッグからゴムを探して、装着する。
「……起ってたんだ」
「そりゃ、目の前であんだけあんあん言われれば、興奮しますよ」
仕返しに、いろいろしてやりたかったのに、そんな必要もないみたいだった。そもそも私もだいぶ疲弊していて、麻人をいろいろ苛める気力なんて残ってはいなかった。
麻人が私の体の上に、覆いかぶさってくる。奥をつかれる期待に、全身がどくんと脈を打つ。
「しんどかったら、言ってくださいね」
「うん」