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可愛いヒモの育て方。
第10章 目隠し
十時過ぎ。呼び鈴が鳴る。ドアを開けると予想通り、麻人が立っていた。
「こんばんは。今日はちゃんと鍵締まってた」
「いつもあんたに怒られるかんね。ちゃんと締めたよ」
偉いでしょ? と問いかけると、麻人は笑った。
そのまま部屋へと招き入れる。
「汚っ」
「ほら、ヒモ。片付けて片付けて」
「ヒモヒモ言うけど、初日以来金もらってないし。もう、金取りますよ!」
「固いこと言わないで。その分ただで泊まらせてあげてんじゃん」
私は散らかったままの部屋の洋服ダンスから、下着とタオルを取った。
「まださっき帰ってきたばっかなんだ。シャワー浴びてくるから、その間に片付けよろしく。せめて通路は確保しといて」
「……はーい」
麻人のため息を背中に聞きながら、部屋を出て浴室へと向かった。
シャワーを浴びて髪を拭きながら部屋に戻ると、部屋はだいぶ片付いていた。テーブルが片付き、脱ぎ散らかしたものは洗濯機に放り込まれ、その他の雑誌や本の類は棚に戻され、郵便物も一ヶ所にまとめられていた。
「掃除機は明日かけますね」
「さすが家政婦」