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可愛いヒモの育て方。
第12章 来客

「麻人に買ってきてもらおうかな」
「え、麻人くん来るの?」

 そういえば、今日バイトが終わったら来ると言っていたのを彩乃に伝え忘れていた。

「うん、来るって言ってた。大丈夫?」
「ええ、あたしは。ちょっと見てみたいし。あたしがいて、麻人くんは大丈夫?」
「さあ。人見知りとかしないらしいし、大丈夫じゃない?」

 私の友達がいると知れば、気を遣って来ない可能性もあるけれど。
 拒否させないため、連絡しておくことにした。
 携帯でメールを打って、彩乃に見せる。

「ん?」

 『お疲れ様。今友達と飲み中。私の家に来る時に、コンビニで焼酎と梅酒、つまみを買ってきて。麻人の好きな酒も買ってきていいよ。あとでお金渡すから』
 我ながら飾り気のないメールだなぁとは思う。でもいつも、麻人とのメールはこんな感じだった。用件のみのシンプルメール。

「これ送っとけば来るっしょ」
「……もうパシリね」

 麻人の役割が、最近どんどん増えている。
 残り少ないチューハイをのんびり飲みながら、麻人のバイトが終わるのを待つことにした。
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