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可愛いヒモの育て方。
第13章 口移し
「ん、んう」
最初冷たく感じた麻人の唇は、次第に私の体温と同化していった。夢中で吸い付き、麻人の口内に舌を差し入れる。
「ねえ、俺の話聞いてます?」
唇が離れた一瞬の隙をついて、麻人はそう問いかけてきた。その声にも、吐息が混ざり始める。構わずまた引き寄せて、舌を絡めた。
「ん、ふぅ」
麻人の手が、服の上から腹の辺りをまさぐった。ためらうように、ゆっくりと。
体がぴくりと反応する。麻人は一度手の動きを止め、上体を起こした。テーブルの向こうを見やる。麻人の視線を追うと、毛布をかけて眠る彩乃の姿があった。顔は私たちとは逆を向いていて見えないけれど、眠っているのはわかる。彼女の寝息で規則正しく毛布が上下に動いてるから。
麻人は私の体をまたぐように手を伸ばし、すぐ隣のベッドから、掛け布団を取った。私に掛け、麻人もその中に潜り込む。
「絶対に声、出しちゃダメですよ」
え? と思う間もなく、胸元をまさぐられた。さっきよりも強めに。
「あ……っ」
「しー」
不意打ちに、小さく声が洩れる。たしなめられ慌てて口に右手を添えた。