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かわいい狼くん
第12章 囚われたうさぎちゃん
先に沈黙を破ったのは心だった…
『彰斗…くん…ごめんね。
私の事…嫌いになった…よね?』
「なに言って…」
『わ…たし、九条…くんに…触っ…!』
いきなり腕を掴まれ振り向かされる
心がゆっくりと顔上げると
そこには酷く歪んだ彰斗の顔…
『あきっ…』
「嫌いになるはず…ないだろ!」
『だって…彰斗くんいつも…
後ろから抱き締めて…くれるのに…
今日は全然っ…』
バシャッ…
途端にギュッと抱き締められる
「触れたくて触れたくて仕方ないよっ…!
でも…心を怖がらせちゃうんじゃないかって…」
あ…
私の事を気にして…
そして心も広い背中に腕を回す
『ふぇ…よかったぁ…
嫌いになっちゃっ…ひっく…思っ…グス』
「なるわけないよ…」
なれるわけ…ない……
昔からずっと心だけだったんだから…
抱き締める腕に力が入る
『んっ…彰斗、くん…?』
「ココ、もっと触れていい?」
『えっ…
う、うん…///』
身体を離し…見つめ合う
「じゃあ、今日は僕が洗ってあげるね」
『え…洗うって…』
彰斗はニコリと微笑む
ゴクッ…
心はそのいやに清々しい笑顔に息を飲んだ…