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かわいい狼くん
第14章 別れと出会い
春樹は空を見上げ
ゆっくりと息をはく…
「それが君だよ…心」
『っ…!』
「俺は君をいつの間にか
瑠璃と重ねて見てしまっていた…
そして…君を傷付けてしまった……」
『九条く…』
「許してくれなんて思ってない
ただ…本当にすまなかった……」
春樹は深く頭を下げる
彰斗はただ黙っていた…
そして…
『九条くん、頭…上げて?』
「心…」
『きっと1人で苦しかったよね…
私も大好きなママが死んじゃったから…
少しわかる。
私の場合はママとの記憶がほとんどないの…
でも九条くんには
瑠璃さんとの思い出があるじゃない!
ちゃんと…前に進むべきだよっ…!
私が瑠璃さんだったらそう思うよ?』
心は微笑み言った…
その瞬間春樹に見えたものは
《お兄ちゃん、笑って…!》
「る…り……っ」