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~散花~
第1章 身体診
「門口も、確認しておきますかの?」
「ええ、そうね。まさか大丈夫だとは思うけど」
いったん老師の指先が陰(ホト)から離れて、玉蘭は我にかえった。
いつの間にか、ずいぶん息が荒くなっていた。
呼吸を整えるのに精一杯で、美女と老師の会話の内容は理解できなかった。
(次は何をされるのだろう)
この胸の鼓動は、不安ゆえだろうか。それとも、期待…?
「少々、冷たいやもしれませぬ」
そう断りながら、老師は小箱の蓋を開け、中の薬液をどろりと掬い上げた。