この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
~散花~
第14章  前夜

半刻後――

玉蘭は自室に戻っていたが、体にはまだ霧の中を彷徨うような感覚が残っていた。

板間に寝転び、頬を床にすりつける。ひんやりとして気持ちよかった。

股の間に手を伸ばし、穴を触ってみる。もう丸薬の感覚はなかった。

玉蘭は朦朧としたまま這って厨子の抽斗を開けた。

秘薬の小瓶を探す。

(…あれ…おかしいな。確かにここに置いておいたはずなのに…)

数少ない私物。

替えの内衣や化粧道具をまさぐると、


コツン――


小瓶の倒れる音が聴こえた。

「こんなところにあったのね…」

小瓶を拾い蓋を開ける。いとおしい香りが鼻腔をくすぐった。

掌にたっぷりと薬をとり、既に充分濡れているそこに、さらに塗りたくる。

(明日はいよいよ帝と…。しっかり柔らかくしておかなきゃ)

玲利の長い指を思い出しながら玉蘭は、夕膳が運ばれてくるまで、ずっと甘い靄の中をたゆとうていた。




既に謀略にかけられていたことなど、つゆも知らずに――




     14章 完



/740ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ