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~散花~
第18章 折檻
「そうか、お前か。昨日、わらわの寝所に忍び込んだふとどき者は」
「皇太后さま、わたしは断じてそのような――」
後ろ手に縛られたまま、玉蘭は身を乗り出して訴えた。
手足はガクガク震えていた。
皇太后がゆらりと微笑む。
「それで、寝所でいったい何を見たのえ?」
「いいえ、皇太后さま。わたしは何も見てはおりませぬ。青龍殿に忍び込むなど、滅相もないことにございます。どうか信じて下さいまし……」
「お黙り!!」
ガシャンッ――
玉蘭の膝元で陶器が砕けた。
皇太后が、傍らの内侍の手から水差しを奪うや玉蘭に向けて投げつけたのだ。
玉蘭は息を呑んだ。