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~散花~
第20章  再起

「あの…失礼いたします…」

引き戸の向こうで聞き慣れない声がした。

玉蘭は横たわったまま、「はい」と返事をしたつもりだったが声にならなかった。

ここ何日、誰とも喋っていなかったせいだ。

ゴトリ、と立て付けの悪い音とともに少しだけ引き戸が開かれ、隙間から雑仕女が遠慮がちに伝えてきた。

「本日が選女の最終日でございます。明日は内示の申し渡しがありますゆえ、未の刻、かならず座敷へ出参するようにとの女官長さまからのお達しにございます」

つまり明日、玉蘭は采女の内示を受けるのだ。

「わかり…ました…」

かすれた声で返事をした。



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