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~散花~
第21章 決死行…?
「では、玉蘭。いちどしか言わぬからよく聞けよ」
玉蘭は上半身を起こされた。乱れた髻を秀瑛がなおしてくれる。
「まず、裏切らぬと誓え」
「……はい」
「二度と逃げ出す気など起こすな」
「…はい」
「すべての現実を、泣きごと言わずに受け止めろ」
「はい」
「この先いかなる真実を知ったとしても、素知らぬ顔で秘密を守れ」
「はい」
「俺は兄上を尊敬しているし、永王朝の弥栄を心底仰望している。傾城の女には無闇に兄上に近づいてほしくない」
「はい」
「覚悟を決められるか」
「はい」
玉蘭が強く頷いたのを見て、秀瑛はにやりと笑った。