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~散花~
第26章 波紋1
「まったく、皇后さまの腹心である芙蓉さまを差し置いて、たかが地方役人の娘ふぜいが第一夫人など……けしからぬことでございます。皇帝陛下も、いったいなぜこのようなお気まぐれを…」
「陛下への讒言はおやめ」
「は…はい…」
憤慨してまくしたてる朱佳をたしなめたものの、芙蓉の心中も穏やかではなかった。
(十六才!? 私より七才も年下?)
その年下の新参者が、第一夫人ですって?
尚侍としてのキャリア、他の乙女よりは後宮に詳しい者として、何より筆頭としてこの1年、他の側妃を束ねてきた。
その自尊心に風穴が開く。