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~散花~
第29章 入内
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「趙・第七夫人さまです」と女官に耳打ちされ、あわてて玉蘭は立ち上がった。
鶯燕館でもその名を何度か聞いたことがある、側妃の首席だ。
玉蘭は当然のように跪拝した。
「いけませんわ、琳夫人さま。どうぞお立ちになってください」
佳人が手をとり玉蘭を立たせる。
「今やあなた様が紅梅宮の首座でございます。格下の私に跪いてはなりません」
「趙夫人さま…」
「どうぞ、芙蓉とお呼び下さい。差し支えなければ私も、玉蘭さまとお呼びしてよろしゅうございますか」
「はい、もちろんです!!」
優しく親しげに手を握られ、玉蘭は姉を得たような頼もしさを感じた。
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