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~散花~
第32章 朝見
ジャリ――
一歩踏み出すと、その足音に気づいた側妃がいっせいに玉蘭を振り返った。
(……こ、こわい…)
思わず怯んだ。
「ごきげんよう、玉蘭さま。どうぞこちらへ」
側妃の塊からひとつ飛び抜け先頭にいた 芙蓉が、優雅に手招きしている。
玉蘭が歩みを進めると、引き潮のように側妃たちが道を開けた。
頭を垂れてはいるが、上目遣いで睨まれているような気もする。
その中道を抜け、玉蘭は芙蓉の左隣に控えた。
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