この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater16.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~散花~
第1章 身体診
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「お屋敷勤めがかなえば、ここでの賃仕事よりはるかに良いお手当てが貰えると思うの」
玉蘭が、家計の足しに始めた機織りの内職。
内職といっても自宅に道具がなかったため、こうして会所の織機を使わせてもらうようになってから、もう1年になる。
「玉蘭ちゃんももう十六だし、器量も良いし。きっと、良い勤め口を世話してもらえるわ」
女主人は、意気揚々と説得してくる。
いつまでたってもタダ同然で織機を使われることが、承服できない。
そんな本音を女主人の愛想笑いから読み取り、玉蘭は必死に涙をこらえた。
![](/image/skin/separater16.gif)
![](/image/skin/separater16.gif)