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~散花~
第36章 後朝
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どうして何もしてくれなかったのだろう。
疲れていたから?
それなら初めから“御召し”なんてしないだろう。
(やっぱり、わたしに魅力がなかったからかな…)
鶯燕館にいたときのことが思い出される。
先に選女の試しを終えた乙女たちが、夜伽の首尾を自慢していたっけ。
みんなお洒落で綺麗で臈たけていて、
(それに比べてわたしは――)
たった2,3ヶ月の付け焼き刃で、芯から垢抜けるなんて無理な話だったのだ。
(きっと帝は、鄙者のわたしを一瞥して気分が萎えてしまったのだわ…)
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