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~散花~
第36章  後朝

「嵌められるような油断をするほうが悪いと仰ったのは秀瑛さまじゃないですか!」

どこまでも疑心暗鬼になってやる!

ぜったい裏があるはずだ。

玉蘭は、じとー…と秀瑛を睨んだ。

「わたし知ってます。仮に帝に御子がおできにならなくても、弟君が後をお継ぎになった先例がたくさんあるじゃないですか。こんな回りくどいことしないで、秀瑛さまが皇太弟におなりになればいいはずです」

「俺は…」

そのとき、不意に秀瑛の眼に翳りがさした。

「俺は、皇帝になる気はない」

意味深長な表情。

「“兄上の”皇子ができ次第、俺は白虎殿を引き払う」

それはなぜ?

しかしそれ以上は深入りさせないオーラが秀瑛をまとっていた。




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