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第4章 　禊

｢玉蘭さま。お迎えにあがりました｣

声をかけられ振り向くと、痩せぎすの内官が立っていた。

｢あっ…！｣

思わず息を呑む。

その内官は、数日前に玉蘭の身体診を行なった老師…いや、偽医師だった。

｢あなたは…｣

嫌悪の表情を隠せない。

とっさに踵を返して立ち去ろうとした玉蘭に、彼は抑揚なく言った。

｢松風殿へご案内いたしましょう。范貴人さまがお待ちです｣

｢……｣

ついていくしかなかった。