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~散花~
第44章 傷心と浄化
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「それにしても、本当にひと気の薄い御殿ね。女官や内官はみんな中元節へ行ってしまったの?」
「あ…それは…もともと、女官は御付き内侍ひとりしかいないんです」
入内当初にいた数名の女官たちは、秀瑛の根回しで別部署へ配置替えになっていた。
しかし、
「なんですって?」
玲利の眉間に縦皺が寄る。
「では、手水係も湯殿係も呉服係もいないというの? まさか膳房の女官も? 小間使いさえ?」
「は…はい…」
たいていのことは加蓮がやってくれるし、玉蘭自身、なにもかも甲斐甲斐しく世話をされたいタイプではないため、むしろ現状のほうが気楽で良いと納得していたのだが、
「まったく、なんてこと! 第一夫人を虚仮にしすぎているわ」
玲利の逆鱗に触れてしまったらしい。
「人事院に行って抗議してくる!」
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