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~散花~
第49章  終章

「さあ、参りましょう」

玉蘭は右に控える玲利に目配せした。

准后付きの尚侍に出世した玲利は、朱雀殿と紅梅宮の全女官を監督する責任者となった。

女官長に就任する日も、そう遠くはないだろう。



「かあさま」

左隣に立つ美紅姫が、にっこり笑って玉蘭を見上げた。

紅梅宮の南殿で育てられた彼女は、今後は、呂栢や乳母や専属の女官らと共に、内親王殿に居を構えることになっている。

が、

それは建前。

もうしばらくは、継母の慈愛に包まれながら朱雀殿で過ごすことを帝から許されている。





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