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迷路・・・Ver.K
第9章 駆け引き

イライラしながら
俺は
マンションの玄関を
睨みつけていた




マシロが出てきたら

急いで駆け寄って



「お前

何やってたんだよ」



そう言ってしまいそうなほどに

そんなこと言える立場じゃねーのに



イラついて
しかたない




立ったり座ったりを
繰り返しながら


俺は
とにかく
マシロが現れるのを
待ち続けた






待ち続けているうちに



・・・2時間が

経過していた









あんなに

イラついていた
俺の気持ちは



2時間もの
時間が過ぎていく間に


いとも簡単に
カタチを変え






心は



ズタズタに
なっていた







2時間も
出てこない理由なんて


深く考えなくても
わかる






もう






完全に





神島さんは
俺の手の届かない所に


行ってしまった



もちろん
手を出しちゃ
いけない相手で


もう相手になんか
してくれない




わかってる




わかってたけど












俺の目は

涙で滲んだ



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