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迷路・・・Ver.K
第11章 涙の理由
ユウヤの返事が
返ってこないまま
エレベーターが
目の前に止まり
スーっと
ドアが開いた
ユウヤが
顔を覆ったまま
一歩踏み出し
俺は
ユウヤの腕を握る手に
グッと力を込めた
「行くなよ」
「・・・でも・・」
「来ていいんだ」
「・・・・」
「いつでも
来ていいんだよ、ユウヤ」
「・・神島さん・・・」
ユウヤが
顔から手を遠ざけて
泣き顔のまま
俺を見た
どうしたんだよ・・・ユウ
「・・ユウ・・・」
その時
背中から
声が聞こえた
「神島さん!
靴も履かないで
どうしたんですか?」