この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
執事とお嬢様の禁断の模様
第4章 更なる山道

そういえば秀一、我慢できませんって
言ってたけど…なにも手を出してこないな……
我慢してるのかな……
湯に浮かぶ淡いサーモンピンクの
花びらを見つめ、息を吹きかけて
手持ち無沙汰に遊ぶ。
私だって本当は秀一にくっつきたい
けど…恥ずかしいし……
実はさっきから秀一に気づかれぬよう、
少しずつ少しずつ秀一に接近している。
秀一にぎゅってしてもらいたい……
水面に映る私の顔は、どこか切なげだ。
ふぅっとため息を吐く。
「秀一……」
「はい、妃奈浬お嬢様」
バシャッ!
「~~~っ?!」
私は驚いて勢いよく秀一の方を向いた。
秀一はなにやら驚いている様子。
うそっ…もしかして今の口に出てた?!
「どうかしましたか?」
「っ…な、なんでもっ…」
私がごまかすと、後方から
クスクスと笑い声が聞こえた。
「…寂しいなら、来ればいいではないですか」
「えっ……」
「…さっきから、私の方に寄ってきていますよね」
「っ~~!?!」
秀一の言葉に、顔が熱くなる。
ばれた…
「だっ…だって、なんか…あんなこと
言われたら期待しちゃうし…っ…」
もういいやと思った私は、
半分自暴自棄で告白することにした。
「あんなこと?」
「が…我慢できませんって…言ってたでしょ……」
「………」
「秀一っていっつもそう…
期待させるだけさせといて、ずるいよ……」
なんかそういうことずっとされてると、
好きなの私だけなのかなって…不安になる。
ただでさえ、自分に自信ないのに……

