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キスマーク
第6章 マ
大きく息を吸って会議室を軽くノックしてから入る。
しずかの会社とは毎週金曜日の打ち合わせが決まっている。
あれからもう一度考える必要があると思った。
雰囲気で寝ちゃった感は否定できない。
それでなくともクライアントだ。
1週間、しずかの誘いは何とか避け、今日の会議の日になった。
「おはようございます。クリエイティブチーフの上野です」
ざっと相手側の顔を眺める。
しずかがいたけど、軽く無視。
「早速ですが始めさせていただきます。
合併を発表するプレスリリースのタイミングは、専門の者と打ち合わせが
終わったかと思います。
来月の第二月曜日で、お間違いないですね?」
プレスリリースをいつのタイミングにするかは1番大事なことだ。
それは世間の情勢など推し量って専門の担当者が決める。
「私は会社ではなく、皆さんのイメージを担当させていただきます」
ざっと相手を見る。しずかもこちらを真剣に見ながらメモを取る。
「まず、スーツはチャコールグレーのブリティッシュスタイルで
お願いします。この色は日本人の肌の色に1番あうと言われています。
ブリティッシュスタイルの形は自信のある積極的なイメージを与えます」
メモを取る手が少し止まる。
「次にネクタイですが赤系のストライプでお願いします。
赤のストライプはアグレッシブなイメージを引き出します。
逆にドット柄や無地はおやめください。
また、記者会見時に一律のイメージにならないように、
みなさん多少変化を持たせてください。
次に、髪型ですが・・・」
「ちょっと待った!」
次々と私が話し出す所でしずかが待ったをかけた。
しずかの会社とは毎週金曜日の打ち合わせが決まっている。
あれからもう一度考える必要があると思った。
雰囲気で寝ちゃった感は否定できない。
それでなくともクライアントだ。
1週間、しずかの誘いは何とか避け、今日の会議の日になった。
「おはようございます。クリエイティブチーフの上野です」
ざっと相手側の顔を眺める。
しずかがいたけど、軽く無視。
「早速ですが始めさせていただきます。
合併を発表するプレスリリースのタイミングは、専門の者と打ち合わせが
終わったかと思います。
来月の第二月曜日で、お間違いないですね?」
プレスリリースをいつのタイミングにするかは1番大事なことだ。
それは世間の情勢など推し量って専門の担当者が決める。
「私は会社ではなく、皆さんのイメージを担当させていただきます」
ざっと相手を見る。しずかもこちらを真剣に見ながらメモを取る。
「まず、スーツはチャコールグレーのブリティッシュスタイルで
お願いします。この色は日本人の肌の色に1番あうと言われています。
ブリティッシュスタイルの形は自信のある積極的なイメージを与えます」
メモを取る手が少し止まる。
「次にネクタイですが赤系のストライプでお願いします。
赤のストライプはアグレッシブなイメージを引き出します。
逆にドット柄や無地はおやめください。
また、記者会見時に一律のイメージにならないように、
みなさん多少変化を持たせてください。
次に、髪型ですが・・・」
「ちょっと待った!」
次々と私が話し出す所でしずかが待ったをかけた。