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第13章 ふたりがいた…今

どれくらいの時間
私は泣いていたんだろう…


涙が枯れるまで…

よく聞くけど
涙なんて枯れやしない…


今までの渇ききった心を
潤すように
溢れて…溢れて…
止まらない



　…お前が 出ていくまで

　　側にいるから…　

　　　

兄はもう決めているんだ

私をこの腕に
二度と抱かないと…



　…お兄ちゃん

　　　こんな妹で
　　　　
　　　　　ごめんね…



　…いや

　　　大切な妹だよ…

　　

兄の顔を見た

兄も…泣いていた
顔をぐしゃぐしゃにして
泣いていた



　…最後のキス…しよう…


　…お別れのキスなんだね…




愛情を交わす最後の
　　…くちづけ

別れを惜しむ長い
　　…くちづけ



お兄ちゃん…

最後だから…
もう涙は見せないから…

最後にもう少し泣かせて…



そんな想いで
兄の胸でまた…泣いた