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第16章 【戀月桜～つきこいざくら～】決着～安政六年四月五日宗徳寺　

―おぬし、何が言いたい？
　栄佐は龍馬の調子に乗せられて、つい武士言葉で話したことに気づかなかった。龍馬はそれを指摘せず、淡々と言った。
―別に何ちゃ言うつもりはない。ただ、その角倉家といやア、元を正せば初代将軍東照大権現さまのお血筋にも当たるっつう話じゃ。将軍家の血をも引く時のご老中の甥、そんなやんごとない立場にありながら、この国が風雲急を告げる危急のときにようも責任放り出して自分だけ好きなことばっかりしよるなと思うたら、流石に腹が立ってくるぜよ。