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第19章 第二部・第四話【悲願花～女になった男～】　異変

「どんな風な具合なの？」
　老いた老婆と幼い孫の二人暮らしということで気になって、小紅もよく覗いたり、多めに作った惣菜をお裾分けしたりしている。
「何かさ、熱があるって。身体がだるいっていうから、風邪じゃねえかって」
　確かに、ここのところの江戸の季候は妙だ。まだ八月末だから、日中が暑いのは当然だけど、朝夕は秋が一足飛びに来たのかと思うほど気温が下がるときもある。