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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第23章 第二部・第五話 【冬柿】 冬柿
三日前の夜、栄佐に口づけられたときは恐怖や嫌悪感どころか、むしろ、快感を感じたほどだった。小紅は既に栄佐とは一度、関係を持っている。しかし、それは栄佐から一方的に仕掛けられたもので、むしろ手籠めにされたといった方がふさわしいものだった。
あれ以来、しばらくの間、小紅は栄佐に触れられることにかなりの抵抗と恐怖を憶える時期が続いていた。それが先日は感じるはずの恐怖も何もなく、ただ心地良さだけが身体を支配していたのだ。
あれ以来、しばらくの間、小紅は栄佐に触れられることにかなりの抵抗と恐怖を憶える時期が続いていた。それが先日は感じるはずの恐怖も何もなく、ただ心地良さだけが身体を支配していたのだ。