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第26章 第二部･第六話【春咲く花】　略奪

「源五から聞いてはおりましたれど、たいしたご執心だこと。何事にも幼い頃から執着したことのない殿がそこまで入れ込むとは、よほどの魔性の女と見ゆる。よろしいでしょう。殿、この母がお約束致します。殿が今すぐにでも屋敷に戻って下さるなら、小紅なる者の無事は約束しましょう。百歩譲って、その者を側妾として当家に迎え入れても良い。ただし、正室としては加賀の姫君を迎えて下らねばなりませんぞ」