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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星
 鼻に掛かった甘ったるい声には、小紅のような未通(おぼこ)の娘にもそれと判るくらい、はっきりと情事の名残が窺えるような気がした。
 やはり、ここは、はっきりと言ってやらねば。小紅は覚悟を決めて、ひと息に言った。
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