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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星
 その夜、小紅は早々と布団に入ったものの、なかなか眠りは訪れなかった。薄い夜具は古道具屋で買ったものだが、なかなか一月の寒さを凌ぐには物足りない。いっかな眠りが訪れなかったのはむろんそのせいもあったろうが、いちばんの原因はここのところの環境の急激な変化だとは自分でも判っていた。
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