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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星
 今はその仕立物に取りかかったばかりだ。お紀代の母は小紅が裏店に移り住むときは名残を惜しんでくれた。お紀代には四つ下の沙吉という弟がいる。お紀代の母は
―この一ヶ月、小紅ちゃんを見ていたら、ずっと家にいて貰っても良いと思うようになってねぇ。小紅ちゃんさえ良かったら、うちの沙吉の嫁になっておくれでないかい。
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