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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星
 小紅では届かなかった神棚も、長身の栄佐にかかれば楽々手が届く。四半刻もかからずに栄佐は神棚を直してくれたばかりか、汚れも綺麗に拭き取って使えるようにしてくれた。
 小紅も栄佐と向かい合って蕎麦を食べる。
「ね、この間の夢の話。いつか立て役になりたいって話してたでしょう」
「おう、確かにそんな話をしたっけな」
「私にも夢があるのよ」
 栄佐は既に丼を空にしている。
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