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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星
 そんな話をあらかた話すと、栄佐はいちいち真剣な顔で頷きつつ聞いてくれた。
「そいつァ、良かったじゃねえか。おめでとうよ」
 最後にまた手が伸びてきて、栄佐に髪をかき回された。そのときも一瞬、後ずさりそうになるのを必死で堪える。
「その調子で頑張れよ。多分、俺が立て役になるのと、お前が一人前になるのとじゃ、お前の方が夢を叶えるのは早いと思うぜ」
「あら、それは判らないでしょ」
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