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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星
 コクリと頷く。小紅は難波屋の先代武平が自分の父の弟であり叔父であること、準平は武平の女房の連れ子で、叔父の実子ではないことだけを簡単に話した。
 ふいに小紅は栄佐の大きな胸に抱きしめられていた。
「栄佐さん?」
 小紅は狼狽え、逃れようと暴れた。だが、栄佐は幼子をあやすように、小紅の背を優しく撫でた。
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