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第8章 カノジョと………

　
　健二の顔をしたアイツが腕を掴んでくる。

　嘘つきの先輩が肩を掴んでくる。

　そんなに、惨めな姿を美奈お姉ちゃんに晒させたいのか分かんない。

　でも、そんなのイヤだ。

「いやいやいやっ」

　体を暴れさせる。

　もう、しっぽなんて気にしない。

　お腹の中で玉が跳ねる。

　締め付けられるおっぱいの根元が痛い。

　でも、暴れる。

「落ち着け、明日香っ！」

「明日香ちゃん、冷静にっ！」

　嘘つきたちなんて知らない。

　二人の手から抜け出す。

　目を見開いている美奈お姉ちゃん。

　お願いだから、見て欲しくなかった。

　だから、隠れる所に向かった。

　丁度良かった。

　窓が開いてて……。

　恥ずかしさから逃げる一心で、今なら何でも出来そう。

　ほら………。

　こんなの………。

　手摺りなんて簡単に飛び越えられる。

　後ろの叫び声なんて気にしない。