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どこまでも玩具
第9章 質された前科

 その結果がこれだ。
 力尽き果てて、シーツにくるまる。
 体中がベタベタで。
 髪すら一本残らず粘ついた液で濡れている。
 気持ち悪い。
 気持ち悪い。
 腸の中でアレが波打ってるのも感覚でわかってしまう。
 何回出したんだよ。
 天井を見上げる。
 まだ息が荒い。
 熱い。
 こんな寒い夜に、何も纏っていないのに。
 熱い。
 ビクビクと下半身は余韻にしがみつくように痙攣する。
 その微かな振動すら脳をたぎらせる。
 太腿が断続的にビクッと震える。
 足先は麻痺して動かない。
 四つん這いが長かったからか。
 冷静に自分の状態を確認する。
 何のため?
 逃げるため。
 動けるかな。
 部屋の隅に鞄はある。
 父はいない。
 服は床に捨てられている。
 そっと体を起こそうとした。
 ジャラン。
 え?
 冷たいものが首から胸にかけて当たっている。
 手をかける。
 その重量に指が震える。
 鎖。
 首を一回りした輪。
 ベッドの端にくくりつけられている。
 手足にはない。
 首だけ。
 それが不気味さを増している。
 まるで、ペット。
 嫌な想像をして、それを外そうと力を込めた。
 ガチャン。
 ガキン。
 嘘だろ。
 びくともしない。
 頭上に腕を持ち上げた状態じゃ、力もこもらない。
 なんとか腰を曲げ、体を反転する。
 身を屈めて鎖に取りかかるが、余りに固い。
 しかも南京錠が三つも絡められ、外すのは至難の業だ。
 解け目がないか顔を近づける。
 「哲……?」
 手を離す。
 音を立てて、鎖が落ちた。
 ギシ。
 ベッドに乗る音。
 息を殺して振り返ると、父が満面の笑みでそこにいた。
 シャワーを浴びたのだろう。
 濡れた髪からシャンプーの匂いが漂ってくる。
 「これから風呂に入れてあげるつもりだったけど、まだ満足していないみたいだな……そんなに腰を突き出して、そんなに揺らして」
 太腿を指でなぞられる。
 「は……違っ」
 「じゃあ、なにをしてたんだ?」
 血の気が引く。
 父は黙るおれを笑い、ぐいと腰を持ち上げた。
 秘部を開かれる。
 いやだ。
 「離せっ」
 蹴ろうとばたつくが、全く動じない父に絶望する。
 「グチャグチャじゃないか」
 指を突っ込まれ、前立腺を擦り上げられた。
 「ひぅあッッ」
 「まだ足りてなかったんだろう? ごめんな、哲」

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