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どこまでも玩具
第3章 枯らされた友情

 「今日は帰れ。適当に理由つけとくからさ。荷物も届ける」
 オレは、瑞希を正門に届けてそう言った。このまま午後の授業を受けさせるのは余りに酷だ。
 「…ありがとな」
 泣き腫らした目で見つめるな。
 こっちまで辛い。
 「みぃずき…明日迎えに行くから」
 今朝みたいに、篠田にきっかけを与えてはならない。
 瑞希は小さく頷いた。
 その頭をアカが撫でる。
 「さっき言ったのが本心っての忘れんなよ。オレらは全力で叶えてやるから」
 ―止めたい!―
 それは、残酷な程素直な叫び。
 笑顔で出て行く瑞希に、これ以上かける言葉も無く立ち尽くした。
 「金原」
 「なんだ?」
 アカは瑞希の背中を見送りながら、口だけ動かす。
 「計画、立てる?」
 「篠田と類沢を殺すための?」
 アカは、物騒だなぁと苦笑いした。
 「まぁ、それ」
 オレも考えてはいた。
 瑞希は人一倍警戒心が強い。
 その瑞希が、たった一日で弱みを握られたのだ。
 敵は相当やり手だろう。
 まず、篠田と類沢、どちらが主導権を持ってるか知る必要がある。
 「二人でやる?」
 「危険だよな…」
 オレは正門脇のフェンスにもたれかかる。
 ギシリ。
 アカも隣にもたれた。
 「今日の放課後、オレが行く」
 「金原一人で?」
 ザアッと風が吹き抜けた。
 アカの髪が舞って燃え上がる。
 「……ダメだよ」
 声がふるえている。
 「金原まで弱み掴まれたら手も足も出ないよ」
 「そうなる前に息の根を止めるだけ」
 暫く沈黙に包まれる。

 口火を切ったのはアカだ。
 「放課後六時にね。七時になっても連絡来なきゃ向かうから」
 二人は同時にフェンスから離れる。
 キィ。
 「……ただ、瑞希への行為を止めさせれば良いんだよな」
 「……うん」
 アカは、胸に渦巻く不安を口に出さずにぎこちない笑みを浮かべた。

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