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どこまでも玩具
第6章 剥がされた家庭
 たとえば有紗と類沢がキスとか。

 そんな予想を覆して画像はそこに映っていた。
 保健室の扉。
 白い貼り紙。
 ―反省室にいます―

 「ちょっ、ちょっと待て」
 「一つしか予想できないよね」
 金原が頭を抱える。
 一応元カノだもんな。
 まさか。
 「いや……教師がまさか」
 「行ってきました」
 はい?
 俺は目を丸くして二人を見つめる。
 行ってきた。
 あの、反省室に。
 「正直……二度と行く気はなかったんだけどさ」
 アカが顔を曇らせる。
 「午前中はボイコットするつもりで、反省室に向かったんだ」

 「うわ……来ちゃった」
 階段を降りてからアカは後悔したように呟く。
 まだ、物音はしない。
 これで、誰もいないならいい。
 誰かいても、有紗がいなければいい。
 金原は無意識にそう願っていた。
 いくら本人の願いでも、類沢に彼女が抱かれるのだけは許せなかった。
 突き放したって、気になる存在だ。
 一番奥の突き当たりに辿り着く。
 二人は息を潜めて耳を済ませた。
 目の前の扉の向こうでなにが行われているのかを。
 「立ち入り禁止だよ」
 「うっわ!」
 突然背後からの声に、体が跳ね上がる。
 振り返ると、灰色のチェックのシャツを来た男が立っていた。
 確か、化学の雛谷空斗。
 「びっくりした……雛谷先生」
 雛谷は童顔を横に傾けてじーっと観察してくる。
 「確か、金原くんに紅乃木くんだよね?」
 通称、ヒナヤン。
 とりあえずうちの学校のあだ名のセンスに物言いたい。
 少し長いブラウンのパーマがかった髪。
 首を隠すくらいの長さ。
 そして大きい瞳。
 一見中学生で、声も高い。
 一部の女子に大人気だ。
 「なにしてるの?」
 「……類沢先生を探してて」
 こういう時は真実を云うに限る。
 雛谷ははっとして、それから生暖かい笑みを浮かべた。
 「一歩遅かったねー。さっき出張で出て行ったよ」
 「出張?」
 「そ。多分今日はもう来ないんじゃないかな」

 「え?」
 「え?てなるだろ。オレ達もそうなったんだよ」
 金原は深く息を吐いて首を押さえる。
 アカも小さくかぶりを振った。
 「じゃあ、有紗は?」
 「そこなんだよ」
 「問題はそのあとなんだよ」
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