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官能エッセイ集 ~官能の景色~
第8章 “嫉妬”は“本能”
でも、その「誰にもやりたくないもの」は人それぞれ違います。
それと、人にやれるものと、やれないものがある。
どうしてもやれないもの、それはやはりその人の“嗜好”に関わりがあります。

人から、なぜこんなものを?
と思われても、本人には譲れないものなのです。
それを持つ事によって、脳内で快楽物質のドーパミンが出る。
大量に出るものと、少ししか出ないものとがある。
脳内を大量の快楽物質で満たしくれるものは、手放したくない。

では分け合えばいいのではないか?
人と分け合ってもいいのに。
カオリは人と分け合えました。
シノブも出来ました。
でも、ユカだけは分け合えない。
分け合いたくない。
この感情の違いの源は何なのでしょう?
子供が自分のおもちゃを
「このボタン押すと、すごい音がなるんだよ」
と友達に自慢しながら、仲良く二人で遊ぶようにはいかない。

強いて言うなら
「これは俺のもので、この良さは俺にしか解らないものだ」
という感情でしょうか?

でも、やはり、何か違うような気がします。
嫉妬が本能の領域にあるのなら、生命の維持に不可欠なものです。

なぜ神は“嫉妬する”と言う行為を作ったのでしょう。
嫉妬すると何か利点があるのですね、多分。
私がユカに嫉妬して得られたもの……?


会うたびに、より激しく、より深く、お互い愛し合えたことしょうか?
今はそれしか思い浮かびません。


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