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官能エッセイ集 ~官能の景色~
第9章 “愛情”と“同情”
『“愛情”と“同情”』


女性ってよく、男と親しくなる過程で、自分の身の上話をします。

特に“辛い過去”と“辛い事に向き合ってる自分”を。

それは男の気を引く為なんですが、実はそれは諸刃の剣です。

それは、男が何も知らなかったときは“愛情”で接しているのですが、彼女の辛さを知った時点から、それは“同情”に変わってしまう可能性があるのです。

“同情”は、人は誰にでも与えられるものですが、“愛情”は愛した人にしか与えられません。

あなたは“彼の気を引こうとして”の身の上話をしていませんか?
でもそれは“同情”に発展する可能性があります。

大分前の話になりますが、絢香と水嶋ヒロが結婚するときのことです。
彼らの記者会見を観て、強烈に思ったことがあります。

綾香が水嶋ヒロに、いつ自分の病気のことを告げたかです。

告げた時点で、正義感の強そうなヒロは、絢香を“捨てること”は出来なくなったと思いました。

「男が廃(すた)る」からです。

でもそれって、本当の“愛”?

男が廃るから、絢香を見守る為に結婚する。
私はそう感じてしまいました。

表面上は美談ですが、なにか純粋さを欠いた関係に思えてなりません。
結婚してから絢香がヒロに告白すれば、納得しますが……。
これは絢香の“計算”だったのでしょうか?

結果的に結婚に行くつくのは同じだとしても、その動機が“同情”であるならば、“不純”に見えて仕方がないのです。

あなたの行動は“愛情”を得るための行動ですか?
それとも“同情”して欲しいと願う行動ですか?



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