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官能エッセイ集 ~官能の景色~
第4章 女性は普通に嘘をつく
『女性は普通に嘘をつく』
カオリとは、お互いの夫婦生活を保ったまま“付き合う”と言うのが約束でした。
お互い“本気”にならないと言う約束です。
その約束が、私にはどうしても必要でした。
前の彼女“ユカ”は、私と付き合い、悩んだあげく、私が止めるのも聞かず離婚したのです。
それがトラウマでした。
だから、よく彼女に「最近旦那さんとした?」
と尋ねます。
確かめる為に。
もしかして本気になったりしてないかと……。
「もう、あなたとしてから、主人と出来ないわ」
と言われるのが、一番の恐怖なのです。
男冥利に尽きるのではないかと言われそうですが、以前そうやって、ユカの家庭を壊してしまった私には、そんな事を思えるはずもありません。
あるとき、カオリに
「最近してないのよ。なんか求められても面倒くさくて」
と言われました。
「だめだよ。ちゃんとしないと。旦那さんも変な気を回すかもしれないし、約束だろ?」
「わかってる。わかってる。ちゃんとするから」
その後、数日くらいして、また聞いてみると
「まだよ、なんか忙しくて。それにあなたとしてから、主人としたくなくなってしまったわ」
私は怒ってしまいました。
そして、以前話したトラウマのことをまた話し、最後はお願いだからしてくれないか、告げました。
「わかったから、大丈夫だから。本当はこの前、あなたと逢った次の日から、3日連続で主人が求めて来たの。すごいの、サカリがついたみたいに……」
「え? あれから3日連続でしたの?」
「そうなの、オスの本能なのかしら? 誰かに私が盗られるとでも感じてるのかも(笑)それにね、最近私綺麗になったみたいなの。職場の同僚にも言われたのよ……だからじゃない? エヘッ」
私はカオリが旦那さんと既にしていたことに胸を撫で下ろすのを忘れて、彼女が私に「嘘をついていた」ことに腹が立ちました。
「じゃ、今まで嘘ついてたの?」
「だって、あなたとした後に3日連続でしたなんて言ったら、あなたが気を悪くすると思って……」
「やれやれ、女って、やっぱり普通に嘘つくんだね?」
「だって、あなたを傷つけない為の嘘なのよ。いいじゃない?」
「ハイハイ。わかりました。じゃ、また旦那さんと、がんばって」
女性の嘘は相手の為?
それとも自分の為?
でも男は女の嘘を見抜くのが本当に下手です。
完
カオリとは、お互いの夫婦生活を保ったまま“付き合う”と言うのが約束でした。
お互い“本気”にならないと言う約束です。
その約束が、私にはどうしても必要でした。
前の彼女“ユカ”は、私と付き合い、悩んだあげく、私が止めるのも聞かず離婚したのです。
それがトラウマでした。
だから、よく彼女に「最近旦那さんとした?」
と尋ねます。
確かめる為に。
もしかして本気になったりしてないかと……。
「もう、あなたとしてから、主人と出来ないわ」
と言われるのが、一番の恐怖なのです。
男冥利に尽きるのではないかと言われそうですが、以前そうやって、ユカの家庭を壊してしまった私には、そんな事を思えるはずもありません。
あるとき、カオリに
「最近してないのよ。なんか求められても面倒くさくて」
と言われました。
「だめだよ。ちゃんとしないと。旦那さんも変な気を回すかもしれないし、約束だろ?」
「わかってる。わかってる。ちゃんとするから」
その後、数日くらいして、また聞いてみると
「まだよ、なんか忙しくて。それにあなたとしてから、主人としたくなくなってしまったわ」
私は怒ってしまいました。
そして、以前話したトラウマのことをまた話し、最後はお願いだからしてくれないか、告げました。
「わかったから、大丈夫だから。本当はこの前、あなたと逢った次の日から、3日連続で主人が求めて来たの。すごいの、サカリがついたみたいに……」
「え? あれから3日連続でしたの?」
「そうなの、オスの本能なのかしら? 誰かに私が盗られるとでも感じてるのかも(笑)それにね、最近私綺麗になったみたいなの。職場の同僚にも言われたのよ……だからじゃない? エヘッ」
私はカオリが旦那さんと既にしていたことに胸を撫で下ろすのを忘れて、彼女が私に「嘘をついていた」ことに腹が立ちました。
「じゃ、今まで嘘ついてたの?」
「だって、あなたとした後に3日連続でしたなんて言ったら、あなたが気を悪くすると思って……」
「やれやれ、女って、やっぱり普通に嘘つくんだね?」
「だって、あなたを傷つけない為の嘘なのよ。いいじゃない?」
「ハイハイ。わかりました。じゃ、また旦那さんと、がんばって」
女性の嘘は相手の為?
それとも自分の為?
でも男は女の嘘を見抜くのが本当に下手です。
完