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キスの花束を
第5章 嫉妬と誤解
次の日、仕事を無理やり終わらせた私は
社内メールで呼びだしていた啓と明日香と
いつもの居酒屋に行き、ツカサと待ち合わせた。

「付き合うことになりました」

二人にそう報告した私たちに
明日香はニコニコして
「やっぱり。そうだと思った。
紗江子ちゃん。良かったね。って、11歳年下じゃ
良かったねって言っていいか微妙だけど」
と言った。

啓はツカサの兄になるわけだけど
「同期の紗江子と弟が付き合うって微妙~」
と苦笑いをした。

「あら。お似合いよ。
今までオヤジと付き合っていた紗江子ちゃんは
童貞だった司君のぎこちなさに初々しさを感じただろうし
童貞だった司君は紗江子ちゃんの百戦錬磨のセックスアピールに
やられちゃったのよね?」

このオンナ・・・
可愛い顔して言いたい事を言いやがる。

啓に『とめろ』と目で合図したが
『ごめん。俺には無理』と目をつぶった。
情けない!

「どう?司君。今までオジサンとねちっこいセックスしてた
紗江子ちゃんのセックスってこの前まで童貞だった子には
とっても気持ちいいでしょう?」

言ってる事と可愛い顔が線で結べません・・・
明日香の出した企画書は通すように上層部に忠告しよう・・・

「あの」

かなりひどい事を言われているのに
動じないツカサが同じようににっこり笑って

「明日香さん。兄貴がだらしないからって
俺に八つ当たりしないでください。
紗江子さんのセックスはそりゃぁ気持ちいいです。
でもそれは好きだから。ただそれだけです。
高3のオレが言うのもおこがましいですが
今までの紗江子さんがあって今の紗江子さんですから」

と言った。
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