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ひよこと野獣
第9章 野獣 武志の嫉妬
「ゆうや、お前楽しんでないか?」

「そんなわけないじゃん。俺は焦る武志の顔がみたいだけ……じゃなかった味方なだけだよ?」

聞こえてんだよ、コラ。

ゆうやの性格の悪さにため息をつくものの、陽菜がそんなに人気があったなんて知らなかった。

たしかに最初に会った時ひよこに見えたしな。
小動物っぽいって言うのは頷ける。

俺は昼休みまで待つと陽菜の教室へ行き、ももとりんに挨拶を交わし陽菜を保健室に連れ込んだ。

「先輩?どうしたんですか?」

状況がのみこめない陽菜が首を傾げている。

「朝、誰と中庭で話してたんだ?」

『朝』と『中庭』のキーワードで陽菜の頬が赤く染まった。

……すげえイライラする。

「に、二年生の人…」

「二年がお前に何の用があるんだよ」

「え、えっと……その…」

真っ赤になる陽菜。
ゆうやの朝の言葉が脳内でぐるぐる回る。

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