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禁断の甘い果実
第1章 禁忌への階段




---夏の日---


突然リビングから、お袋の慌てた声が、俺を呼んだ。



『---タク---拓海ー!
降りてらっしゃい』





---ったく---なんだよ!
るっせーな!







俺は仕方なく、
2階の自分の部屋から下に降りて行く。
下に降りてくと、
喪服姿の親父と、
お袋が居た。



『あれどうしたの?不幸でも出来た?』


『福岡の親戚の、
叔父さんよ。
こないだ話したでしょ?入院してるって。』



『---あ---
じゃあ---』



『お母さん達、
明日葬式だから、
今から行かないと、行けないのよ。
手伝いしなきゃ、
いけないから、
3日は帰って来れないわ。』



『---え?---そうなんだ…?
3日も…?』



『今夜の夕飯は、
カレー作ってあるから、温めて食べなさい。もうすぐ、
お兄さんも帰って
来るから。』



『解った。てか、
兄貴何時頃帰んの?』


『1時間もしないうちに帰るでしょ?』


すると親父が、



『---拓海ー--もう大きいから、
留守番できるな?』


『当たり前だよ。
ガキじゃねえんだし。』



『夕飯の事は、
お兄さんに頼んで
あるから。
お兄さんの言う事、ちゃんと聞いてね?』



『ハイハイ。
解った解った。
もう時間じゃないの?』



『きゃ、大変!
貴方急がなくちゃ!』



『---ああ---じゃあ拓海!
留守番頼んだぞ!
お土産屋買って
来るから。』



『葬式なのに、
そんな土産なんて、要らないよ。
叔母さん達に、
よろしくね!
気をつけてね!』



『有り難とう。
お願いね!』



親父とお袋達は、
慌ただしく出て行った。



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