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白雪姫にくちづけを
第32章 番外編
『ありがとうございましたー。』
浩巳が帰って10分後。芽衣の元へカズヤがやってきた。
『あれ、浩巳くん帰っちゃったの?つれないなー。』
『カズヤくん、結婚おめでとう。』
『おう。芽衣こそおめでと!まさか、結婚できるとはな!笑』
『…技かけるよ?』
『冗談だって!…浩巳くんは、やっぱ…あずさか?』
『顧客の個人情報だから。』
(カズヤくんのことは喋ったけどね。笑)
カズヤの質問を予期していたように、芽衣はサラリと流した。
『このやろー!おれを除け者にしやがって!』
『祐也、帰ろう?』
彼女に促され、カズヤも店を出ることにした。
『おう。…じゃーな、芽衣。』
『ありがとうございましたー。』
夕日の照らす空を見上げながら、彼は懐かしい記憶に思いを馳せる。
★小言⑦
『……そうか。2人とも幸せになれよ…』
『え?祐也、何か言った?』
『いや。おれら、幸せだなって。』
人には拾ってもらえない、小さな言葉。
七人の小言は、空気に溶けて、そっとなかった言葉となるのでした。
END
(七人の小言)