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斉藤太一です
第2章 斉藤太一です
君には


聞こえなかったのかもしれない




雨の音が
激し過ぎて



カラダが
冷たくなりすぎて



頭をおこす
チカラさえ
残っていなかったのかもしれない





いや



僕の声が
小さすぎて

君に届かなかったのかな






だから


僕は
君の前に
しゃがみこんで


僕の傘に
君を入れてあげたんだ





もう

そんなの
意味がないほどに

君はぬれていたけど





僕はね



このまま
君が死んでしまうんじゃないかと



本当に
思ったんだよ






死んだ人なんて



おばぁちゃんしか
見たことなかったんだけどね








そう



思ったから






君の
だらりとした手を

握ったんだよ







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