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斉藤太一です
第11章 夏休み
かすみ
僕は
君に
優しかったかもしれない
僕はあの頃
仕事も恋愛も
何もかも
うまくいかなくて
自信なんて
なんにもなくてね
君を
叱るなんて資格
なかったんだよ
そして君は
僕より
しっかりしていて
とても
強く見えていたんだよ
強く
ならなきゃって
頑張っていただけだって
今頃になって
分かったけどね
かすみ
あの頃
かすみの周囲の人達は
かすみを
叱ったかもしれない
かすみの意見を
批判したかもしれない
でもね
それは
かすみのことが
大事だからなんだよ
かすみが
大切で
かわいいから
どうしても
かすみを
守りたくて
大人はね
叱ってしまうんだよ